鏡開きって、なんのためにするのか知っていますか?
- 鏡開きの意味と由来は?
- 日付はいつなの?
- 正しいやり方は?
- カビが生えてたらどうする?
- 食べずに処分する方法は?
- 酒樽を割るのも鏡開き?
などなど。今回の記事では、鏡開きについて詳しく紹介していきます。
Contents
鏡開きとは
鏡開きとは、
- 飾っていた鏡餅を下げる。
- 下げた鏡餅を食べる。
この2つのことをすることです。
飾っていた鏡餅を下げる(片付ける)だけでは、鏡開きとは言いません。
食べることも大事なんです。
そもそも鏡餅ってなんだ?
鏡餅ってなぜお正月に飾るのか知っていますか?
知らない人も多いのですが、お正月は「歳神様」がやってくるので、お迎えしてもてなす行事です。
「歳神様」は、1年間の幸福をもたらす、五穀豊穣の神様です。
鏡餅とは、お正月になってやってきた歳神様へのお供え物であり、依り代(よりしろ)になるものです。
つまり、鏡餅=歳神様とも言えるのです。
鏡開きの意味は?
鏡開きをすることには、いくつか意味があります。
①神様のパワーをもらう
歳神様がお帰りになった後に、飾っていた鏡餅を下げて、食べることが鏡開き。
食べることで、歳神様からパワーを頂くことができるのです。
- 神様に感謝する
- 無病息災(病気や災いが起こらないように)
という意味が鏡開きにはあります。
②歯を丈夫にする
また、硬い鏡餅を食べることを「歯固め」と言い、歯を丈夫にして長寿を祈願するという意味も。
(昔は歯が悪くなることは、寿命に大きな影響を与えていたため)
③占い
歳神様は五穀豊穣の神様でもあるので、作物の出来を占うという地域もあります。
お餅を割ったときに、「お餅の割れが多いと豊作になる」と言われています。
鏡開きの由来
鏡餅は平安時代には登場しますが、お正月に飾られるようになったのは室町時代からと言われています。
そして、鏡開きを行うようになったのは江戸時代くらいから。
①具足開き(ぐそくひらき)が由来
鏡開きの由来は、武家社会で1月20日に行われていた『具足開き』という行事です。
鎧や兜の前に具足餅(ぐそくもち)をお供えして、木づちで割って食べていました。
②1月20日が選ばれた理由は語呂合わせ
武家と言えば刀!
刃柄(はつか)に通じるため1月20日(はつか)に具足開きをすることにしたのです。
③具足開きが一般化
武家社会だけが行っていた、具足開きが一般化して広がっていき鏡開きへと変化していきました。
日本では古くから、「二十日祝(はつかいわい)」という風習があり、お正月の締めを行っていたので、合わさったのでしょう。
鏡開きという名前
もともと武家の行事が広がったのが、鏡開きです。
刃物で切る=切腹を連想させるため、お餅を切るというのはNGだったのです。
木づちなどで叩き割って食べていました。
しかし、「割る」というのも縁起の悪い言葉だったので、縁起が良い「開く」を使ったのです。
*開く⇒末広がりを意味していた
鏡開きはいつ?
鏡開きが行われるのは、一般的に1月11日が多いです。
ただし、これは地域差があり、関西では1月20日に行われています。
もともとは、全国的に1月20日に行われていましたが、江戸時代の徳川家光が4月20日に亡くなりました。
そこで、月命日である20日は縁起が悪いということで、早めて1月11日に行うことを決めました。。
関東を中心に広がっていきましたが、影響を受けなかった関西では1月20日のままに。
また、京都では鏡開きは1月4日に行われますが、なぜこの日になったのかは不明です。
鏡開きのやり方
鏡開きのやり方は、難しくありません。
- 歳神様に来ていただいてありがとうございます。鏡餅を頂きますという感謝の気持ちを伝えます。
- 鏡餅を飾っているところから下げます。
- 表面の汚れを絞った布巾などで落とします。
- 木づちや金づちなど硬いもので叩いて割ります
- 色々な方法で食べる
鏡餅はかなり硬いですが、包丁などの刃物で切るのだけはNG!!
どうしても小さく割れないときは、半日くらい水に漬けて、ラップに包んでチン!してから手でちぎりましょう。
*クッキングシートに包んでからラップすると、くっつかなくて楽です。
真空パックの鏡餅の場合
真空パックのものでも、手順は同じです。
木づちなどで叩いて割るというところだけ、柔らかいため無理なことがほとんどです。
それでも、とにかく包丁で切るのはNG!
小分けになっているタイプは、そのまま調理して食べる。
大きな1つの塊のタイプは、真空パックのまま10分くらい茹でるというのも楽です。
それが出来なければ、取り出して水をさっとかけてラップしてレンジでチンしましょう。
それから手でちぎって調理して食べます。
鏡餅がカビてたらどうする?
昔は、カビが生えていても取り除けば大丈夫!といって食べていたでしょう。
でも現在では、カビが生えているものは基本的に食べるべきでは無いというのが主流です。
カビが表面に生えていても、中まで菌糸を伸ばしています。
そしてそれは目では見えないので、取り除いたと思っていてもカビを食べている可能性が高いです。
またカビが出した毒素は過熱しても壊れません。
カビを食べることで起こるリスクは、食中毒、発がん性、アレルギーがあります。
もったいないかもしれませんが、カビが生えているものは食べるのを避けるようにしましょう。
鏡餅を食べずに処分するときは
カビが生えていたりして食べずに処分することもあります。
1番良いのは「どんど焼き」に持って行ってお焚き上げすることです。(左義長ともいいます)
どんど焼きは神社で行われているので、日付を確認して持っていくと良いでしょう。
どんど焼きに持っていけない場合は、ゴミに出すこともできます。
- まず、白い紙(新聞紙)に鏡餅を乗せます。
- 来ていただいた歳神様に感謝の気持ちを伝えます。
- 塩をかけて清めてから、白い紙もしくは新聞紙に包んでゴミ袋に。
ゴミ袋はできるだけ、他のごみは入れずに捨てたいですね。
鏡餅のカビを防止しよう!
鏡餅をそのまま飾っておくと、どうしてもカビが生えてしまいます。
少しでもカビが生えるのを予防しておくことは大事です。
やり方は簡単で、鏡餅にハケを使って焼酎を塗るだけ。
アルコール分によって殺菌されるので、カビが生えにくくなります。
また、鏡餅の下、それとお餅とお餅の間にお米を敷きます。
少しだけすき間を空けておくことでジメジメを減らすことができるのでカビが生えにくくなります。
予防効果は絶対ではありませんが、何もしないより格段に生えにくくなります。
酒樽のフタを開くのも鏡開き
鏡開きというのは、もう1つあります。
酒樽を木づちで、叩いているのをニュースなどで見たことないでしょうか。
酒樽を木づちで叩いて開いて、みんなでお酒を飲む。これも「鏡開き」と言います。
鏡というのは、神様が宿ると信じられており神聖なものでした。
また、日本酒はお米からできており、神様からの恵みです。
酒樽の丸いフタを鏡に見立てているのです。
フタを開いて、お酒を頂くということで神様に祈願することにつながり縁起の良い意味を持つようになったのです。
まとめ
鏡開きとは、どんなものか分かったでしょうか。
ちょっと簡単にまとめておきましょう。
- 意味は、神様にパワーをもらって1年間に悪いことが起こりませんように。
- 由来は、武家で行っていた具足開き
- やり方は、歳神様に感謝、硬いもので叩き割る、食べる
- カビが生えてたら、どんど焼き、もしくは塩で清めてゴミに出す
- 結婚式など縁起がかつぐ時に、酒樽を開けるのも鏡開き
正月にすることは、ほとんどが歳神様に関係していることです。たとえば門松を飾ること↓↓